独自調査レポート
生成AIは何を引用するのか
3つの生成AIに同じ質問を19日間投げ続け、回答に現れた634件の引用を 分類しました。引用元の型の内訳、モデル間の重なり、.jpドメインの比率を、 集計方法と制約を開示した上で公開します。
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独自調査レポート
3つの生成AIに同じ質問を19日間投げ続け、回答に現れた634件の引用を 分類しました。引用元の型の内訳、モデル間の重なり、.jpドメインの比率を、 集計方法と制約を開示した上で公開します。
634件
分析した引用
57回の回答から抽出
279
引用されたドメイン数
相異なるURLは498件
86.7%
1モデルからのみ引用されたドメイン
3モデルすべてから引用されたのは4ドメイン
12.1%
.jpドメインの引用比率
77/634件
型を判定できた389件の引用のうち、最も多かったのはサイトのトップページで27%。比較・ランキング・レビュー記事が23.7%で続きました。
同じ質問でも、3モデルが引用したドメインはほとんど重なりません。引用された279ドメインのうち86.7%は1モデルからしか引用されず、3モデルすべてから引用されたのは4ドメインだけでした。
引用は少数の有名サイトに集中していません。ドメインが判明している581件のうち上位10ドメインは17.9%にとどまり、引用されたドメインの61.3%は19日間で1回しか引用されていません。
.jpドメインの引用は全体の12.1%でした。モデル別ではClaude(Anthropic)が19.6%、ChatGPT(OpenAI)が6.9%と差がありました。
同じプロンプトでも回答ごとの引用数は0〜38件と大きく振れ、57回のうち12回は引用が1件もありませんでした。
これらは「この条件でこうなった」という記録です。単一の質問・57回の回答という条件のため、生成AI一般の挙動として読まないでください。 条件と限界は調査方法と制約と限界にすべて記載しています。
調査方法
再現できない調査は主張になりません。条件をすべて開示します。
ChatGPTやGeminiなどの生成AI検索で、自社サイトがどの程度引用されているかを定量的に測定・分析できるツールを探しています。より引用されるように改善するための機能を持っているツールも気になります。具体的な選択肢と根拠、価格、制限、機能などとともに網羅的かつ詳細にリサーチして。
日本語・購買検討段階の質問です。この質問の性質が結果に影響している点は 「制約と限界」に記載しています。
以下の基準でURLを分類しました。実際に使ったSQLは全文を再現記録に掲載しています。
発見 1
型を判定できた389件のうち、サイトのトップページが105件(27%)で最多でした。記事ではなく、ドメイン直下(パスが「/」だけ)のURLです。 次に多いのが比較・ランキング・レビュー記事の92件(23.7%)でした。
プレスリリースは2件(0.5%)にとどまりました。 中継URLを含む全634引用まで広げても、プレスリリース配信サイトからの引用は4件です。
一方、学術論文(arXiv)が18件(4.6%) 含まれていました。全634引用で見るとarXivの引用は19件あり、 相異なるURLは6件です。同じ論文が繰り返し引用されていたことになります。
なお本調査では、1回の回答の中で同一ドメインが最大4回引用される例が見られました。
発見 2
トップページ105件のうち86件はChatGPT(OpenAI)によるものでした。逆に比較・ランキング・レビュー記事92件のうち90件はClaude(Anthropic)によるもので、ChatGPT(OpenAI)は2件にとどまりました。
学術論文の引用18件は、すべてChatGPT(OpenAI)によるものでした。同じ質問に対して、一方はサービスの入口ページと論文を、 もう一方は第三者が書いた記事を挙げる傾向が出ています。
※ Gemini(Google)は引用の大半でURLのパスが取得できないため、 この比較にはほとんど寄与していません(型を判定できたのは252件中7件)。
発見 3
引用された279ドメインのうち、242ドメイン(86.7%)は 3モデル中1モデルからしか引用されていません。3モデルすべてから引用されたドメインは4件だけでした。
引用先は少数の有名サイトにも集中していませんでした。ドメインが判明している581件のうち、上位10ドメインの合計は104件(17.9%)、 上位20ドメインでも166件(28.6%)です。 引用されたドメインの61.3%(171件)は、19日間で1回しか登場しませんでした。
1つのAIでの見え方を確認しても、他のAIでの見え方は分かりません。 本調査の範囲では、モデルごとに別々に測る必要があることを示す結果になりました。
発見 4
質問は日本語で投げていますが、.jpドメインの引用は77件・全体の12.1% (40ドメイン)でした。TLD別では.comが最も多く、.aiがそれに次ぎます。
モデル別の差は小さくありません。Claude(Anthropic)は19.6%(41/209件)だったのに対し、ChatGPT(OpenAI)は6.9%(12/173件)でした。
※ .jpは日本語コンテンツと同義ではありません。.comで運用されている日本語サイトは この集計に含まれないため、実際の日本語ページの比率はこれより高いと考えられます。
発見 5
1回の回答に含まれた引用数は0件から38件まで振れました。57回の回答のうち12回は引用が1件もありません。
振れ幅はモデルによって異なります。Gemini(Google)は平均13.3件ですが中央値は1件で、19回中9回が引用ゼロでした。Claude(Anthropic)は中央値12件、ChatGPT(OpenAI)は中央値9件で、より安定していました。
1回の観測結果だけを見て「引用された/されなかった」を判断できる対象ではない、 というのが本調査で最も繰り返し確認できた点です。
制約と限界
都合の悪い制約も含めて、先に書いておきます。
本調査で投げた質問は1本のみで、しかも「ツールを探している」という購買検討段階の質問です。引用される情報源が比較記事や製品ページに寄るのは、質問の性質による部分が大きいと考えられます。他のジャンルの質問で同じ内訳になるかは、本調査では分かりません。
3モデル×19日=57回の回答が母数です。統計的な推定を行うには小さく、本レポートの数値は「この条件で実際にこうなった」という記録であって、母集団の推定値ではありません。
Geminiの252件の引用のうち245件は、URLがGoogleの中継URL(grounding redirect)で返るため元ページのパスが分かりません。うち53件(全634引用の8.4%、Gemini引用の21%)はドメインすら解決できていません。そのため引用元の型の内訳は、パスが判明した389件に限った集計です。
ページ本文は読まず、URLのパスに含まれる語(best- / -vs- / /pricing など)で機械的に分類しています。判定できなかった10.3%は「その他・分類不能」に入れました。分類SQLは再現記録に全文を載せています。
同一のプロンプト・同一のモデルでも、引用される件数は0件から38件まで振れました。57回のうち12回は引用が1件もありません。1回の観測から結論を出せる対象ではない、というのが本調査で最も再現性の高い所見です。
この結果をどう使うか
本調査で分かったのは、あくまで「この質問に対して、この3モデルが、この期間に何を引用したか」です。 引用元の型の内訳も、モデル間の重なりの少なさも、質問が変われば変わります。 そして同じ質問でも回答は毎回変わります。
Geo Indexの引用分析は、この調査と同じ手順を自社のプロンプトで継続的に回すための機能です。 複数モデルに同じ質問を投げ、回答に現れた引用元とブランド言及を記録し、 計測値には常にモデル名と取得時刻を添えます。本レポートの数値も、その仕組みで 収集したデータをそのまま集計したものです。
集計に使ったSQLと全数値の対応表は、リポジトリのdocs/marketing/research/what-ai-cites-2026-08.mdに記録しています。
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